5分でわかる集合論-基礎編

必要な気がしたので、集合論の記号・言葉、定理などのカンペをつくりました。忘れたりするものがかなりあるので。タイトルは大げさか。さーせん。

集合論以前

  • カンマ(,)は’かつ'(and)とおなじ意味
  • \forall x(p)・・・すべてのxに対してpが成り立つ
  • \exists x(p)・・・pが成り立つようなxが(少なくとも一つ)存在する

基礎

  • 集合・・・範囲のはっきりした集まり
  • 元、要素・・・集合の中にはいっているもの
  •  a \in A ・・・aは集合Aに属する、含まれる
  • 有限集合・・・有限個の元のみもつ集合
  • 無限集合・・・無限個の元をもつ集合
  • よく使われる記号
    • \mathbb{N}・・・自然数全体の集合
    • \mathbb{Z}・・・整数全体の集合
    • \mathbb{Q}・・・有理数全体の集合
    • \mathbb{R}・・・実数全体の集合
  • 外延的記法・・・\left\{a,b,c,\cdots \right\}のような記法
  • 内包的記法・・・\left\{ x|C\left(x\right)\right\}のような記法(ただし、Cは条件)
  • 空集合・・・元をまったく含まない集合、記号\phi
  • 相等・・・集合A,Bが、まったく同じ元からなるとき、AとBは’等しい

部分集合

  • 任意のものxについて、x \in A \Rightarrow x \in Bが正しいならば、AはBの部分集合である(記号 A \subset B)
    • 否定はA \not \subset B
  • th. A = B \Leftrightarrow A \subset B, A \supset B
  • th. 部分集合は推移性が成り立つ: A \subset B, B \subset C \Rightarrow A \subset C
  • (\forall A) \phi \subset A

集合演算

  • 和集合(結び)・・・A \cup B = \{ x | x \in A \mbox{ or } x \in B \}
    • A \subset A \cup B, B \subset A \cup B・・・和集合は、足されたものを含む
    • A \subset C, B \subset C \Rightarrow A \cup B \subset C
    • A \cup A = A・・・冪等律
    • A \cup B = B \cup A・・・交換律
    • (A \cup B) \cup C = A \cup (B \cup C)・・・結合律
    • 省略記法・・・A_1, \cup A_2 \cup \cdots \cup A_n、あるいは\bigcup_{i=1}^n A_i
    • A \subset B \Leftrightarrow A \cup B = B・・・ある集合に、その部分集合を足しても変わらない
    • A \subset B \Rightarrow A \cup C \subset B \cup C
    • \phi \cup A = A
  • 共通部分(交わり)・・・A \cap B = \left\{ x | x \in A, x \in B \right\}
    • A \cap B \ne \phiのとき、A,Bは’交わる‘という
    • A \cap B = \phiのとき、A,Bは’交わらない’あるいは’互いに素である‘という
    • A \supset A \cap B, B \supset A \cap B
    • A \supset C, B \supset C \Rightarrow A \cap B \supset C
    • A \cap A = A・・・冪等律
    • A \cap B = B \cap A・・・交換律
    • (A \cap B) \cap C = A \cap (B \cap C)・・・結合律
    • 省略記法・・・A_1, \cap A_2 \cap \cdots \cap A_n\bigcap_{i=1}^n A_i
    • A \subset B \Leftrightarrow A \cap B = A
    •  A \subset B \Rightarrow A \cap C \subset B \cap C
    • \phi \cap A = \phi
  • 分配律
    • (A \cup B) \cap C = (A \cap C) \cup (B \cap C)
    • (A \cap B) \cup C = (A \cup C) \cap (B \cup C)
  • 吸収律
    • (A \cup B) \cap A = A
    • (A \cap B) \cup A = A
  • A,Bが互いに素であるとき、和集合A \cup BはAとBの直和という
  • 差集合
    • 集合Aの元であって、集合Bの元でないものの全体をつくる集合をA,Bの差といい、A-Bで表す
    • A-B = \{ x | x \in A, x \not \in B \}
    • A \supset Bである場合、A-BをAに対するBの補集合という
  • 考えている全体の集合・・・普遍集合、全体集合
  • Xが普遍集合のとき
    • X-Aを単に「Aの補集合」といい、A^cで表す
    • xをXの元としたとき、A^c = \left\{ x | x \in A \right\}あるいはx \in A^c \Leftrightarrow x \not \in A
    • A \cup A^c = X, A \cap A^c = \phi
    • A^{cc} = A
    • {\phi}^c = X, X^c = \phi
    • A \subset B \Leftrightarrow A^c \supset B^c
  • de Morganの法則
    • {(A \cup B)}^c = A^c \cap B^c
    • {(A \cap B)}^c = A^c \cup B^c
  • 集合系・・・集合の集合(その元が、すべてそれ自身集合であるような集合)
    • 集合Xのすべての部分集合全体がつくる集合系を巾集合という(ここでは\mathfrak{P}(X)と表現する)
    • \mathfrak{P}(\phi) = {\phi}
    • Xがn個の元からなる集合のとき、\mathfrak{P}(X)の要素は2^n個の要素を持つ
    • 集合系の和集合(記号:\bigcup \mathfrak{P})・・・\mathfrak{P}に属するすべての集合の和集合、すなわち\bigcup \mathfrak{P}={x|\exists A \in \mathfrak{P}}
    • 集合系の共通部分(記号:\bigcap \mathfrak{P})・・・\mathfrak{P}に属するすべての集合の共通部分、すなわち\bigcap \mathfrak{P}={x|\forall A \in \mathfrak{P}}
    • \forall A \in \mathfrak{P}(A \subset \bigcup \mathfrak{P})
    • [\forall A \in \mathfrak{P}(A \subset C)] \Rightarrow \bigcup \mathfrak{P} \subset C
    • \forall A \in \mathfrak{P}(A \supset \bigcap \mathfrak{P})
    • [\forall A \in \mathfrak{P}(A \supset C)] \Rightarrow \bigcap \mathfrak{P} \supset C

対応

  • 直積(A \times B)・・・集合Aの元aと集合Bの元bの組(a,b)全体のつくる集合
  • 対応・・・ある集合Aの各元aに、集合Bの部分集合を割り当てるルール\Gammaを、AからBへの対応という。
    • \Gamma: A \rightarrow Bと書く
    • Bの部分集合\Gamma(a)\Gammaよるaの
    • A→始集合
    • B→終集合
    • \Gamma, \Gamma': A \rightarrow B, \forall a \in A(\Gamma(a) = \Gamma'(a))が成り立つとき、\Gamma, \Gamma'等しい
  • 対応のグラフ
    • G(\Gamma) = \left\{ (a,b) | a \in A, b \in \Gamma(a) \right\}\Gammaのグラフという
    • \Gamma(a) = \left\{ b | (a,b) \in G(\Gamma) \right\}
  • \Gamma定義域(D(\Gamma))・・・\GammaのグラフをGとしたとき、(a,b) \in Gとなるようなbが存在するようなa全体のつくるAの部分集合
    • D(\Gamma) = \{ a | \exists b ( (a,b) \in G) \}
  • \Gamma値域(V(\Gamma))・・・\GammaのグラフをGとしたとき、(a,b) \in Gとなるようなaが存在するようなa全体のつくるAの部分集合
    • V(\Gamma) = \{ b | \exists a ( (a,b) \in G) \}
  • 逆対応({\Gamma}^{-1})
    • b \in \Gamma(a) \Leftrightarrow a \in {\Gamma}^{-1}(b)
    • D({\Gamma}^{-1})=V(\Gamma), V({\Gamma}^{-1}) = D(\Gamma)
    • ({\Gamma}^{-1})^{-1} = \Gamma

写像

  • 写像・・・対応のうち、始集合の任意の元aに対して、\Gamma(a)は終集合のただ一つの元から成る集合であるもの
  • 定値写像・・・f(x)=1のように、値が固定の写像
  • 恒等写像(I_A)・・・aにa自身を対応させる写像、I_A(a) = a
  • Pの元aのfによる像f(a)をすべて集めてできる集合をfによるPの像といい、f(P)と表す
  • P_1 \subset P_2 \Rightarrow f(P_1) \subset f(P_2)
  • f(P_1 \cup P_2) = f(P_1) \cup f(P_2)
  • f(P_1 \cap P_2) \subset f(P_1) \cap f(P_2)
  • f(A-P) \supset f(A) - f(P)
  • Q_1 \subset Q_2 \Rightarrow f^{-1}(Q_1) \subset f^{-1}(Q_2)
  • f^{-1}(Q_1 \cup Q_2) = f^{-1}(Q_1) \cup f^{-1}(Q_2)
  • f^{-1}(Q_1 \cap Q_2) = f^{-1}(Q_1) \cap f^{-1}(Q_2)
  • f^{-1}(B-Q) = A - f^{^1}(Q)
  • f^{-1}(f(P)) \supset P
  • f(f^{-1}(Q)) \subset Q
  • 全射・・・f(A) = Bのとき、つまり終集合のすべての要素が指されている場合、fは全射
  • 単射・・・a \ne a' \Rightarrow f(a) \ne f(a')の場合、fは単射
  • 全単射・・・全射かつ単射
  • AからBへの写像全部の集合を\mathfrak{F}(A,B)またはB^Aで表し、Aの上のBの配置集合という
  • 特徴関数(定義関数)・・・Xを普遍集合としたとき、Xから{0,1}への写像\chi_A
    • \chi_A(X) =\begin{cases} 1 & (\mbox{if } x \in A) \\ 0 & (\mbox{if } x \in A^c=X-A) \end{cases}

添数づけられた族

  • \mathbb{N}から1つの集合Aへの写像aをAの元の列という
  • a(n)をa_nとかき、元の列の第n項という
  • 集合\{a,b,\cdots,n\}から集合Aへの写像aをaの元の有限列という
  • 一般に、ある集合\Lambdaから集合Aへの写像を\Lambdaによって添字付けられたAの元の族という
  • \Lambda添数集合といい、その元を添数という
  • 集合族・・・族{(A_\lambda)}_{\lambda \in \Lambda}で、\Lambdaの各元\lambdaにおいてとる値A_\lambdaがそれぞれ一つの集合であるもの
  • 部分集合族・・・上の集合族の、すべての\lambdaにたいして A_{\lambda} \subset X となるもの
  • 直積・・・\Lambdaのすべての元\lambdaに対してもa(\Lambda) = a_{\lambda} \in A_{\lambda}を満足するような、族(a_{\lambda})_{\lambda \in \Lambda}全体の集合
  • 選出公理(axiom of choice)・・・\forall \lambda \in \Lambda(A_{\lambda} \ne \phi) \Rightarrow \prod_{\lambda \in \Lambda} A_\lambda \ne \phi
  • 射影(projection)・・・集合族の直積Aの元aに対して、aの\lambdaにおいてとる値a_\lambdaを対応させたとき、その写像を射影(記号: {pr}_\lambda or {proj}_\lambda)という。
    • {pr}_\lambda(a) = a_\lambda

定理

  • fをAからBへの写像とする
  • fが全射であるとき、またそのときに限り、f \circ s = I_Bとなるs: B→Aが存在する
  • fが単射であるとき、またそのときに限り、r \circ f = I_Aとなるr:B→Aが存在する

関係

  • 関係・・・記号: R(x,y)、xRy
  • 同値関係の条件(同値律)
    • \forall a \in A (aRa)・・・反射律
    • \forall a,b \in A (aRb \Rightarrow bRa)・・・対称律
    • \forall a,b,c \in A(aRb, bRc \Rightarrow aRc)・・・推移律

以上。

4 コメント

  • 名無し

    言葉尻とつかむような横槍かもしれませんが…
    全体を通して \subset(真部分集合) ではなく \subseteq が適切な箇所が多数あります。
    例えば、部分集合の定理で
    A = B iff A \subset B and B \subset A
    となる集合 A, B は存在しません。

  • @名無し さん
    ※ここでは便宜上 \subseteq を ≦、\subset を < と表現します

    コメントありがとうございます。確かにご指摘の様に≦を使用する流派もあります。
    ただし、部分集合を<と表現し、真部分集合として「A<BかつA≠B」、または別の記号で表現する流派もあります。
    上記では自分の師匠の流儀に従い後者で書いてます。
    (本文中でも「部分集合」節で、「AはBの部分集合である(記号 A < B)」として定義しています)

    ちなみにどちらが主流かを議論する意味は無いですが、現在の高校教育課程でも後者を採用しているようです。

  • 重松 宏昌

    今日は!
    本サイトの最初の部分集合の中に
    下記の記述があります。
    th. A=B A is included B, B is included A
    (◾th. A = B \Leftrightarrow A \subset B, A \supset B)

    Q1) ”th.” は何の略でしょうか?

    初歩的な質問ですが、コメント頂けますと大変あり難いです。

  • たいち

    須永さま初めまして

    そちらで重松と名乗っている者はいろんな場所で教えてクンをし続けている
    shiggyとも名乗っている極めて悪質な人物です。
    http://www32.atwiki.jp/slimebeth/pages/28.html

    この者は誤字脱字満載の質問を投げかけ返事をしたらさらに的の外れた
    質問を重ねてくる習性があります。
    決して反応せぬよう書き込まれたら即削除するなどの厳粛な対処をよろしくお願いいたします。

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